3分でわかる!魚は水を飲まないの?なぜ溺れないの?

魚

魚はいつも口をパクパクさせていますが、あれって水を飲んでいるのでしょうか?
もし人間が同じことをしたら溺れてしまいそうなのに、魚はなぜ平気なのか
この記事では、魚の呼吸・水分調整・溺れない仕組みまで、わかりやすく解説します。

スポンサーリンク

魚はなぜ口をパクパクしているの?

魚が口を開けているのは、水中で呼吸をするためです。

  • 水を口から取り入れる
  • 喉を通ってエラへ送る
  • エラを通る水から酸素を取り込み、二酸化炭素を排出する

つまり、魚にとって「水を通す=息を吸う」ことなのです。

スポンサーリンク

エラは“水中の酸素を取り出す装置”

魚のエラは、言わば“逆フィルター”。
水の中の酸素を血液に取り込む特殊な構造を持っています。

  • エラには薄くて広がった「エラびらびら」がたくさんある
  • その表面には毛細血管が密集
  • 水中の酸素が血液に拡散され、同時に二酸化炭素を水中へ排出

まさに、水中呼吸に特化した装置なのです。

魚は水を飲んでいるの?

実は魚の種類によって、水の“飲み方”は全く違います。

淡水魚(川・湖に住む魚)

  • 体液の塩分濃度 > 周囲の水
  • 水が体内に勝手に入ってくる
  • 水を飲む必要がない
  • → 腎臓で大量の薄い尿を出し、余分な水を排出
  • → エラで塩分を補給

つまり淡水魚は「水が入りすぎないようにがんばっている」のです。

海水魚(海に住む魚)

  • 体液の塩分濃度 < 周囲の水(海水)
  • 水分が体外に出ていってしまう
  • 失った水を補うために海水を飲む
  • → エラや腎臓で余分な塩分を排出
  • → 濃い尿を少量だけ出す

つまり海水魚は「塩を出しつつ、水を取り入れている」のです。

じゃあ魚も水を飲んでるの?

広い意味では、海水魚は“水を飲んでいる”と言えます。
ただし、口に入れた水はすべて体内に吸収されるわけではありません。

  • 呼吸のために口から水を取り入れ → エラに通す → 外へ出す
  • 一部の水分は、エラや腸から吸収
  • 不要な塩分や水は、腎臓・エラ・皮膚で調整

だから人間のように「ごくごく飲んでお腹に溜まる」わけではないのです。

なぜ人間は水中で溺れるの?

人間が溺れるのは、体の構造が魚と大きく違うためです。

  • 人は肺で呼吸 → 水中では呼吸できない
  • 息ができなくなると反射的に口を開けてしまう
  • 水が気道に入る(誤嚥) → 呼吸困難に
  • 同時に水が胃に入り、嘔吐や水中毒のリスク

特に海水を大量に飲むと、体液との塩分差によって脱水症状が起こり、非常に危険です。

☠️ 海水の塩分濃度:約3.5%
🧍 人間の体液:約0.9%
→ 海水を飲むと、体が水分を奪われてしまう

特別な呼吸ができる“例外の魚”もいる!

一部の魚は、水中だけでなく空気中の酸素も使える仕組みを持っています。

  • ライギョ・雷魚: エラと“空気呼吸器官”を両方持つ
  • 肺魚: 乾季に池が干上がっても、肺で生き延びる
  • ベタ: ラビリンス器官を使って水面の空気を補助的に取り込む

ただし、これらの魚も完全な陸上生活は不可能で、水中生活が基本です。

まとめ:魚は水の中で“飲まずに呼吸”している!

  • 魚は口から水を取り入れて、エラで呼吸している
  • 淡水魚は水を飲まない、海水魚は飲む
  • 体の中では水と塩分のバランス調整が絶えず行われている
  • 人間は肺呼吸しかできないため、水中では呼吸もできず、溺れる

つまり、魚は水中で生きるために、極めて精密で効率的な“生きるための仕組み”を持っているのです。

この仕組みがあるからこそ、魚は私たち人間の何倍もの時間を、水の中で穏やかに暮らしていられるのです。

タイトルとURLをコピーしました