ミャンマーといえば、バガンの仏塔群やインレー湖など、魅力的な観光地が数多く存在する国です。しかし、現在の情勢を考えると「ミャンマーって今、旅行しても大丈夫なの?」と不安に思う方も多いのではないでしょうか。
今回は、外務省の最新情報や各国との比較をもとに、ミャンマーの治安についてわかりやすく解説します。これから旅行や出張を検討している方は、ぜひ参考にしてください。
結論:現在のミャンマー旅行は非常にリスクが高い
まず結論からお伝えすると、今のミャンマーは、旅行先としておすすめできる治安状況ではありません。
外務省の「海外安全ホームページ」では、ミャンマー全土にわたって危険レベルが設定されています。とくに以下の点に注意が必要です:
- レベル2(不要不急の渡航中止):国土の大部分が該当
- レベル3(渡航中止勧告):少数民族地域や紛争地帯が該当
政情不安、軍によるクーデター、市民による抗議デモ、さらには武力衝突などが各地で発生しており、突発的な暴動や検問に巻き込まれるリスクが高い状況です。
日本や他の東南アジア諸国との治安比較
ミャンマーの治安状況を客観的に捉えるために、犯罪データベース「Numbeo」の犯罪指数を参考にすると、ミャンマーは東南アジア諸国の中でも治安が悪い部類に入ります。
たとえば:
これらと比較しても、ミャンマーの不安定さは際立っており、軽犯罪だけでなく政情絡みの危険が深刻です。
日本と比較するまでもなく、治安レベルは雲泥の差があります。
特に危険な地域と注意点
以下の地域では、外国人旅行者の立ち入り自体が極めて危険です:
- カチン州・カヤー州・シャン州・チン州などの少数民族地域
- 民族武装勢力と政府軍の衝突が続いています。
- ヤンゴン市内の一部エリア
- デモや軍の検問が突発的に発生。観光地でも発砲事件が報告されています。
- 現地の警察・軍による取り締まり強化
- 不当な拘束やパスポート提示を求められる例もあり。
また、空港やホテル付近でも発砲事件があったとの報告もあり、通常の観光旅行では到底対応できる状況ではありません。
渡航を検討する場合の注意点
やむを得ず渡航する必要がある場合は、以下の点を徹底してください:
- 常に外務省「たびレジ」に登録し、最新情報を受信する
- 日本大使館の連絡先をすぐ出せるようにしておく
- 人が集まる場所(デモ、広場、宗教施設)は避ける
- 写真撮影やSNS投稿にも慎重になる
- 夜間の外出は極力避け、現地の事情に通じたガイドを雇う
それでも予測不能なリスクは大きく、現在の情勢では「不要不急なら渡航は見送るべき」です。
治安回復後に期待されるミャンマーの魅力
現在のミャンマーは厳しい状況にありますが、本来は心優しい人々と豊かな自然・歴史文化が広がる魅力的な国です。
- 仏教建築の聖地「バガン遺跡」
- 水上生活が営まれる「インレー湖」
- 手つかずの自然が残る「カックー遺跡群」
情勢が落ち着いた後には、再び旅行先として注目される日が来るはずです。今はその時を静かに待ちましょう。
まとめ
現在のミャンマーは、旅行先としては極めてリスクの高い国です。外務省の危険レベルでも広範囲が渡航中止勧告対象となっており、安全が保証される状況ではありません。
一方で、周辺のベトナムやタイなどは相対的に治安が良好で、安全な旅行が可能です。情勢が安定するまで、他の国を選ぶのが賢明でしょう。
ミャンマーの平和と安定、そしてその豊かな文化が再び安心して楽しめる日が来ることを願ってやみません。