ニュースや新聞でよく耳にする「マイナス金利」。
一見難しそうに聞こえますが、実は私たちの生活にも大きく関わる仕組みです。
この記事では、マイナス金利の意味・仕組み・メリット・デメリットまでをやさしく整理します。
そもそも「金利」って何?
金利とは、お金を貸し借りするときに発生する「お礼」や「手数料」のようなものです。
- お金を借りる人 → 利息(=金利)を払う
- お金を貸す人 → 利息(=金利)を受け取る
例:100万円を借りて、1年後に105万円返すなら、5万円が金利です。
「マイナス金利」ってどういうこと?
通常はお金を預けると利息がもらえるのが当たり前。
でもマイナス金利では、逆にお金を預けると手数料が取られる仕組みになります。
例えば:
- 銀行が中央銀行(日銀)にお金を預ける
- 通常なら利息をもらえるが、マイナス金利では逆にお金を払う
銀行が「預けるより貸し出した方が得」と思うよう誘導する政策です。
どうしてマイナス金利を導入するの?
- 景気が悪いとみんなお金を使わずに貯めてしまう
- 消費や投資が減ると経済全体が停滞
- マイナス金利で「お金を使った方が得だ」と感じさせ、消費や投資を促す
つまり、景気を刺激するための特別な金融政策なのです。
マイナス金利のメリット
① お金を借りやすくなる
- 住宅ローン・カーローンなどの金利が低くなる
- 企業も資金を借りて新規事業や投資をしやすくなる
② 経済全体が活性化しやすい
- 消費が増え、お店や企業の売上アップ
- 雇用が生まれ、景気回復につながりやすい
マイナス金利のデメリット
① 銀行の経営が苦しくなる
- 銀行は利ざや(貸出と預金の金利差)で利益を得る
- マイナス金利で利ざやが縮小、経営圧迫につながる
② 預金してもお金が増えない
- 預金金利も非常に低くなる
- 「貯金してもお金が増えにくい」と感じる人が増える
③ 将来の副作用リスク
- 株や不動産への過剰投資を生みやすい
- 金融市場のバランスが崩れる懸念も
マイナス金利は「非常時の景気回復策」
マイナス金利は万能な仕組みではなく、「景気が悪い時の非常手段」として使われます。
最近では、景気回復を背景に マイナス金利解除で私たちの生活はどう変わる?メリット・デメリットは? で詳しく解説しているように、マイナス金利解除の議論も進みました。
マイナス金利と物価の関係も重要
金利と並んで大切なのが「物価」の動き。
物の値段が上がるインフレが進むと、金利政策にも影響が出てきます。
詳しくは インフレって何?メリットとデメリットは? でわかりやすくまとめています。
まとめ:マイナス金利は私たちの暮らしにも影響する政策
- 景気刺激のための「非常時の金融政策」
- 住宅ローンは借りやすく、預金は増えにくくなる
- 銀行経営や投資バランスにも影響
- 景気や物価動向によって今後も金利政策は変わる
ニュースで金利の話が出たときには、今回の内容をぜひ思い出してみてください。