北向きの部屋と聞くと「寒そう」「暗そう」とネガティブなイメージを持つ人も多いかもしれません。けれど実は、画家や写真家など“光にこだわる人々”に選ばれてきた向きでもあります。
この記事では、北向きの部屋が芸術家に好まれる理由から、現代生活におけるメリット・デメリット、快適に暮らすコツまでを実体験とともに解説します。
結論:北向きは「静かな光と涼しさ」を味方につける空間
派手さはないものの、北向きには他の方角にはない安定した光環境・快適な涼しさという独自の魅力があります。先入観だけで敬遠せず、自分の暮らし方に合うかどうかを軸に考えるのがおすすめです。
北向きの部屋のメリット
① 安定した柔らかな自然光
- 直射日光が入らず、一日中フラットな自然光
- 明暗の変化が少なく、集中作業に適している
- 色再現性が高く、写真・絵画・デザインに理想的
② 夏は驚くほど涼しい
- 京都勤務時、北向きの部屋は冷房代が大幅節約できました
- 夏バテしやすい人にとっては大きなメリット
③ 家具や作品が色褪せにくい
- 紫外線が少なく、インテリア・書籍・アート作品の劣化を防ぎやすい
④ 芸術・デザイン作業に最適
- 写真スタジオ、美術館、デザイン事務所など北向きの光を活かしている例は多い
北向きの部屋のデメリット
① 冬は寒さが厳しい
- 札幌勤務時は日射熱が得られず暖房費が高騰
- 断熱・保温対策は必須
② 湿気がこもりやすい
- 結露・カビに注意
- 除湿機・換気を徹底する必要あり
③ 洗濯物が乾きにくい
- 日照不足で部屋干しが長引く
- 乾燥機や除湿機の併用が有効
④ 観葉植物に不向き
- 日陰に強い品種なら育成可能だが、一般的な植物には不利
なぜ芸術家は北向きを好んだのか?
- 安定した拡散光により微細な陰影表現がしやすい
- モデルに直射が当たらず負担が少ない
- 色味のブレが小さい
実際、モネは北向きのアトリエで制作し、フェルメールやレンブラントも北向き自然光を活かしていました。
現代でも活かされる北向きのメリット
- 写真スタジオ・映像制作現場
- デザイン事務所(色校正・レイアウト確認)
- 美術館の展示空間
- 在宅ワークの集中スペース
東京の広告会社時代も、北向きのデザインチームのフロアが色管理には最適でした。
北向きの部屋を快適に暮らすコツ
- 断熱対策 → 窓に断熱フィルム・厚手カーテン
- 除湿対策 → 高性能除湿機導入
- 照明工夫 → 昼白色+暖色照明を時間帯で切り替え
- 洗濯対策 → 乾燥機・サーキュレーター活用
名古屋の単身赴任時には暖色照明×除湿機の組み合わせで湿気・暗さも快適に乗り切れました。
北向きが向く人・向かない人
向く人
- 集中して仕事・創作したい人
- 夏の暑さが苦手な人
- 家具・作品を長持ちさせたい人
向かない人
- 朝からしっかり日差しを浴びたい人
- 洗濯物を自然乾燥したい人
- 観葉植物をたくさん育てたい人
他の方角とも比較して検討しよう
方角ごとの特徴を総合的に整理した記事はこちら:
- 南向きの部屋は本当にベスト?メリット・デメリットを徹底解説
- 西向きの部屋は夜型の味方?夕陽の魅力と快適に暮らす工夫
- 東向きの部屋は実際どう?朝型ライフと相性抜群な理由と注意点
- 全体比較まとめ:部屋選びで迷わない!方角と家賃の豆知識を徹底解説
- 家賃について:家賃は収入の3割まで?転勤族の体験から考える「ちょうどいい家賃」
まとめ:北向きは「静かな光の住まい」
北向きは派手さはないものの、落ち着いた光と快適な夏を提供してくれる暮らしの選択肢です。芸術家が惚れ込んだ理由を知れば、その良さがぐっと身近に感じられるはずです。
先入観を外し、「自分の重視ポイント」に合うかどうかで検討してみてください。