3分でわかる!インドとパキスタンのカシミール問題とは?報復攻撃の背景と80年続く対立をわかりやすく解説

インド、パキスタン

2025年5月7日、インド軍がパキスタンの実効支配地域を攻撃し、双方で少なくとも11人が死亡しました。きっかけとなったのは、先月カシミール地方で観光客ら26人が犠牲になったテロ事件です。インドはパキスタンがテロを支援していると主張し、報復に出た形となりました。

この衝突を受けて、「そもそもカシミール問題とは?」「なぜインドとパキスタンは対立しているの?」「今後どうなるの?」といった疑問を持った方も多いはずです。本記事では、その背景と意味をできるだけわかりやすく解説します。

スポンサーリンク

カシミール問題とは?

インドとパキスタンの対立の中心にあるのが、カシミール地方という山岳地域です。この地を巡って、両国は独立以来80年にわたり、三度の戦争と無数の衝突を繰り返してきました。

なぜ争っているのか?

もともとインドとパキスタンは、1947年まで「英領インド」としてひとつの国でした。しかしイギリスからの独立時、宗教の違いからイスラム教徒が多い地域がパキスタン、ヒンドゥー教徒が多い地域がインドとして分かれました。

このとき、カシミール地方は住民の多くがイスラム教徒でしたが、当時の統治者(藩王)はヒンドゥー教徒。どちらの国に属するかを決めきれず、最終的に藩王がインドへの帰属を表明します。

これに反発したパキスタンが軍事侵攻したことで、第一次印パ戦争(1947〜49年)が勃発。以後も領有権をめぐって、両国は第二次(1965年)・第三次(1971年)戦争へと突入しました。

現在の境界はどうなっている?

現在のカシミール地方は、以下のように分割統治されています。

  • インドが実効支配する地域:約2/3
  • パキスタンが実効支配する地域:約1/3

この境界線は「実効支配線(LoC: Line of Control)」と呼ばれ、国境とは正式に認められていません。両国とも「カシミール全体が自国の領土」と主張し続けています。

スポンサーリンク

今回の衝突の背景

インドによる報復攻撃の発端は、2025年4月22日にインド側のカシミール地域で起きたテロ事件です。観光客ら26人が銃撃されて死亡し、インド政府は「背後にパキスタン政府がいる」と強く主張。

これに対してパキスタン政府は、関与を否定し、「インドの報復攻撃は主権侵害であり、戦争行為だ」と非難。今回の軍事衝突につながりました。

なぜここまで深刻なのか?

インドとパキスタンの対立が世界的に注目される理由は、両国とも核兵器を保有していることです。1998年にはほぼ同時期に核実験を実施し、以降も軍事衝突が核戦争へ拡大するリスクが懸念されています。

実際に2019年には、インドの空爆に対しパキスタンが報復として戦闘機を撃墜・パイロットを一時拘束するという事態が発生。今回も似たような報復の応酬が始まっており、国連や各国政府が強く懸念を示しています。

カシミールは住民投票で解決できないの?

パキスタンは、「カシミールの帰属は住民投票で決めるべき」と主張しています。一方インドは、「これは2国間の問題であり、国際社会の介入は認めない」との立場。

この対立構造が長年変わっていないため、解決の糸口が見えず、緊張状態が続いています。

今後どうなる?

現時点では、さらなる軍事的報復が起きる可能性も否定できません。ただし、過去の衝突でもアメリカや国連など国際社会の仲介により緊張が緩和された事例があります。

今回も、各国が自制を促すことで大規模戦争への拡大を防ぐことが期待されていますが、楽観はできません。

まとめ

  • インドとパキスタンはカシミール地方の帰属を巡り、1947年から対立を続けている
  • 今回の軍事衝突は、観光客が犠牲となったテロ事件への報復としてインドが攻撃を開始したことが発端
  • 両国とも核保有国であり、対立の激化は国際社会にとっても重大な懸念材料
  • 解決には住民投票の実施や国際的合意が求められるが、現状では実現のめどは立っていない

カシミール問題は一朝一夕で解決できるものではありません。報復の連鎖ではなく、対話による平和的解決を世界が願っています。

タイトルとURLをコピーしました