2025年7月10日、地球の1日が通常より1.38ミリ秒短かったことが判明しました。これは1955年に原子時計を導入して以降、今年最も短い日です。さらに8月5日も「歴史的に短い日」になる可能性が指摘されています。
ではなぜ地球の自転速度が速まっているのでしょうか?そして私たちの生活に影響はあるのでしょうか?
なぜ地球の自転速度は変わるのか?
1. 月の引力と潮汐力
月は潮の満ち引きだけでなく、自転速度にも影響を与えます。月の位置によっては自転を遅らせたり、逆に速めたりすることがあるのです。
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2. 大気や海流の動き
ジェット気流や海流の変動により、大気と地球の間で運動量のやり取りが発生します。夏の大気循環の変化で、自転が一時的に速まることがあります。
3. 地球内部(核)の回転変化
地球の核は過去50年間に速度を落としているとされ、その分を補うように地殻・マントルなど表層部分の回転がわずかに速まっている可能性があります。ただし、このメカニズムは完全には解明されていません。
過去には1日が21時間だった時代も
恐竜時代末期(約7000万年前)は1日の長さが約23.5時間。約4億3000万年前には、1日がわずか21時間しかありませんでした。
月が地球から少しずつ遠ざかり、自転エネルギーを奪ってきたため、長期的には1日が徐々に長くなる傾向があります。しかし、短期的には今回のように一時的な加速が起こるのです。
1.38ミリ秒短いと何が起こる?
日常生活に影響はない
人間の瞬きは100〜400ミリ秒かかります。今回の差はその100分の1以下で、体感することは不可能です。
影響があるのは精密システム
原子時計や通信、GPS、金融システムなどはミリ秒単位で同期しています。こうした変動が続けば、史上初の「マイナスのうるう秒」を導入する可能性もあります。
これにより一部のソフトウェアが誤作動するリスクもあり、エンジニアの間では対策が検討されています。
気候変動との関係
氷の融解や地下水の枯渇などで質量が赤道に偏ると、自転は遅くなるはずです。しかし現在は逆に速まっています。
このことは地球システムの複雑さを改めて示しており、今後の予測は非常に困難とされています。
まとめ
- 2025年7月10日は1.38ミリ秒短い「今年最短の1日」
- 月・大気・地球内部など複雑な要因が絡み合って発生
- 日常生活では感じられないが、精密システムには影響の可能性
- 史上初の「マイナスのうるう秒」導入の議論も進行中
今回の現象は、地球が生きている惑星であることを改めて感じさせます。1日1日の長さが実は微妙に変動していることを意識すると、時間の概念も少し違って見えてきますね。