「赤コーナーが王者?青が挑戦者?」
ボクシングを観ていて、そんな疑問を持ったことはありませんか?
試合では選手が「赤コーナー」と「青コーナー」に分かれて入場しますが、この色には一体どんな意味があるのでしょうか?
この記事では、赤と青の違い、どちらが挑戦者なのか、色が選ばれた理由、配色の歴史、他のスポーツとの共通点まで、初心者にもわかりやすく丁寧に解説します。
赤コーナーと青コーナーの違いとは?
ボクシングでは、選手が試合前に「赤」または「青」のコーナーに割り振られます。この配色はルールではなく、興行や試合主催者による慣例的な決定に基づいています。
コーナー色 | 担当する選手の傾向 |
---|---|
赤コーナー | チャンピオン、有力選手、主催者側の推薦選手など |
青コーナー | 挑戦者、ビジター、ランキング下位など |
割り振りはプロモーターや試合の主催者が決定するのが一般的で、時には試合の開催地や大会の構成によって変わることもあります。そのため「赤=王者、青=挑戦者」はあくまで傾向であり、例外も多く存在します。
なぜ赤と青が使われているのか?
1. 視認性が高いから
赤と青は色相環でほぼ正反対に位置し、視覚的に非常に区別しやすい「補色関係」にあります。
このため、観客や審判、テレビ視聴者にとって瞬時にどちらの選手かを判別しやすい利点があります。
2. 色の持つイメージが対照的だから
- 赤:闘志、情熱、攻撃性、支配
- 青:冷静、安定、理性、防御
このように、色が持つ心理的印象が真逆であることから、試合のドラマ性を視覚的に強調する効果も期待されています。
赤と青が採用された背景・歴史
赤と青の使用が一般化したのは、1920年代の白黒テレビ時代とされます。
当時はカラー放送がなかったため、明暗のコントラストがはっきり出る色として選ばれたのがこの2色でした。
また、1936年のベルリンオリンピックでは、ナチス・ドイツが自国色である「赤」を優先的に使用したため、対戦相手が「青」を使用したという説もあります。ただしこれが決定的な由来かどうかは不明で、複数の歴史的要因が複合的に影響したと考えられています。
他の格闘技・スポーツでも使われている赤と青
ボクシングだけでなく、多くの対戦型競技でも赤と青の配色が採用されています。
スポーツ | 色の使われ方 |
---|---|
レスリング | 赤と青のシングレット(ユニフォーム) |
テコンドー | 赤と青の防具で色分け |
柔道(国際大会) | 白と青の道着(IJF規定) |
柔道(日本国内) | 紅白の帯が使用されることもある |
このように、視認性の高さを重視する流れは多くの競技に共通しています。とくに国際大会では、白と青が主流となっています。
まとめ
- ボクシングの赤コーナー・青コーナーは明確なルールではなく慣例に基づいて決められている
- 一般的には赤がチャンピオン、青が挑戦者の傾向があるが、例外も多い
- 赤と青は視認性が高く、心理的なイメージも対照的なため、試合を印象づけやすい色
- 採用の背景には、白黒テレビ時代や歴史的事情など複合的な要因がある
- ボクシング以外のスポーツでも赤と青は広く使われている
色の意味を知れば、リング上の対決がより深く見えてくるはずです。次の試合ではぜひ「どっちのコーナーから登場するか」にも注目してみてください。