月が地球から遠ざかっているのはなぜ?わかりやすく3分で解説!

月

夜空を見上げると、いつもそこにある月。でも実はこの月、ほんの少しずつ地球から離れていっているってご存じでしたか?

日々の生活では気づけない変化ですが、宇宙スケールで見るととても興味深い現象です。今回は、「月が地球から遠ざかる理由」について、できるだけわかりやすく解説します。

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月は本当に遠ざかっているの?

はい、事実です。月は毎年約3.8センチずつ地球から離れていると観測されています。たった3.8cmと聞くと小さな数字に思えるかもしれませんが、何万年、何億年という長い時間が積み重なれば、非常に大きな変化になるのです。

この距離の変化は、レーザー測距実験という手法で確認されています。アポロ計画で月面に設置された反射板に地球からレーザーを照射し、その往復時間を正確に測ることで、年々の距離変化がわかっているのです。

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潮汐力がカギ:なぜ月は遠ざかるのか?

この現象の最大の要因は、「潮汐力(ちょうせきりょく)」です。潮汐力とは、地球と月の重力によって生じる、海の満ち引きなどの力のこと。これが、月を少しずつ遠ざける原動力になっています。

地球の自転と海の盛り上がり

地球は西から東へと自転していますが、この自転によって、地球上の海水は月の引力で引っ張られて満潮(盛り上がり)が発生します。

しかし、地球の自転の方が月の公転よりも速いため、海の盛り上がりは月の真下から少し進んだ位置にずれてしまいます。

引っ張り合いの中でエネルギー移動が起きる

この「ずれた満潮部分」が月を引っ張る形になり、その結果として月は加速され、公転軌道が広がります=月が地球から遠ざかるのです。

一方、地球はその反動でわずかにブレーキがかかり、自転が遅くなっていきます。つまり、地球の自転エネルギーが少しずつ月へと移っているのです。

将来的にどうなるの?

このまま変化が続くと…

  • 1日は少しずつ長くなる(地球の自転が遅くなる)
  • 月はどんどん遠くへ離れていく

ただし、この変化は非常にゆっくりなので、私たちの生活に急激な影響があるわけではありません。

補足:皆既日食との関係にも注目

月が地球から遠ざかることで、将来的には「皆既日食が起きにくくなる」とも言われています。現在は、月の見かけの大きさが太陽をぴったり覆えるサイズですが、月が遠ざかれば太陽を完全に覆えなくなり、金環日食ばかりになる未来もあるのです。

興味のある方は、月が太陽を完全に隠す現象「皆既日食の仕組みと名前の由来」についてもご覧ください。
👉 皆既日食の仕組みと名前の由来は?海外ではどう呼ぶ?日本では次にいつ見られる?わかりやすく解説。

まとめ

月が地球から少しずつ遠ざかっているのは、地球と月の間に働く潮汐力によるもの。地球の自転エネルギーが月に移動することで、月は遠ざかり、地球の1日も少しずつ長くなっています。

何気なく見上げる月の裏側には、こんな壮大な力学が働いていると思うと、ちょっとロマンを感じませんか?

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