PM2.5の正体とは
PM2.5は、大気中に浮遊する2.5マイクロメートル(髪の毛の太さの30分の1)以下の超微細な粒子です。硫酸塩、硝酸塩、炭素成分(有機炭素、元素状炭素)などの有害な化学物質を含んでいます。
PM2.5の発生源は国内?それとも外国?
日本のPM2.5汚染源は、地域や季節によって大きく変動します:
国内発生源
主な発生源:
- 工場や事業所からの排出
- 自動車の排気ガス
- 船舶や航空機からの排出
- 建設現場の粉じん
- 家庭での暖房・調理
外国からの越境汚染
- 主に中国を中心とする東アジアの工業地域からの排出
- 韓国や北朝鮮などの周辺国からも飛来
地域による違い:
- 西日本:一般的に越境汚染の影響が強く、特に冬季や春季には7割程度に達することも
- 東日本:国内の影響が比較的大きく、越境汚染は気象条件により変動(平均で4割程度)
季節による変動:
- 冬季~春季:越境汚染の影響が増加
- 夏季:国内発生の影響が大きい
黄砂との違い
黄砂は主に中国やモンゴルの砂漠から飛来する土壌粒子で、PM2.5とは以下の点で異なります:
- 粒子の大きさ:黄砂は数マイクロ~数十マイクロメートル
- 成分:黄砂は主に土壌鉱物、PM2.5は有害な化学物質を含む
- 発生源:黄砂は自然現象、PM2.5は主に人為的
健康への影響
PM2.5は非常に小さいため、呼吸器の奥深くまで入り込みます。特に以下の方々は注意が必要です:
- 呼吸器系や循環器系の疾患がある方
- 高齢者
- 子ども
- 妊婦
短期的な影響
- 目や鼻の痛み、のどの違和感
- 咳や痰の増加
- 気管支炎の悪化
- 呼吸困難
長期的な影響
以下の疾患リスクを高める要因の一つとなります(喫煙、食生活、遺伝なども関与):
- 肺がん
- 心臓病や脳卒中
- 呼吸器系疾患
- 子どもの肺の発達障害
対策方法
日常生活での予防
- PM2.5濃度が高い日は不要不急の外出を控える
- 外出時はDS2規格またはN95規格のPM2.5対応マスクを着用
- 濃度の低い時間帯に、風向きを考慮して換気(風上側の窓から入れ、風下側から出す)
室内での対策
- HEPAフィルターと脱臭フィルター付き空気清浄機の使用(部屋の広さに合わせて選択)
- こまめな掃除
- 窓や玄関の目張り
より詳しい情報は環境省の大気汚染物質広域監視システム「そらまめ君」で確認できます。