「おねしょって子どもだけのものじゃないの?」
実は、おねしょ(夜尿症)は大人にも起こることのある症状です。
子どもの成長過程で見られるものから、体調や生活習慣に起因するものまで、原因はさまざま。
この記事では、おねしょの仕組み・年齢別の主な原因・改善方法・受診の目安までをわかりやすく解説します。
おねしょとは?医学的には「夜尿症」
おねしょとは、睡眠中に無意識に排尿してしまう状態のこと。
医学的には「夜間遺尿症」または「夜尿症」と呼ばれ、子どもにも大人にも見られる排尿トラブルの一つです。
子どものおねしょ:成長過程の一部
5歳以下の子ども
- 膀胱の容量がまだ小さい
- 夜間の尿を減らすホルモン(抗利尿ホルモン)の分泌が未成熟
- 深い眠りで尿意に気づきにくい
この年齢でのおねしょは珍しいことではなく、自然な発達の一環と考えられます。
6歳以上の子ども
- 学齢期を過ぎても週に2回以上おねしょが続く場合、夜尿症としての診断対象になります。
- 緊張・ストレス・生活習慣の乱れが影響していることも。
✅ 大切なのは、「絶対に責めないこと」。
子どもはコントロールできない状態に悩んでいることが多く、安心できる環境づくりが第一歩です。
大人のおねしょ:何らかのサインかも?
大人でおねしょがある場合は、身体的・心理的な問題のサインの可能性があります。
主な身体的原因
- 前立腺肥大(男性)
- 膀胱の神経機能低下(高齢者)
- 糖尿病や睡眠時無呼吸症候群などの基礎疾患
- 泌尿器系の感染や障害
生活習慣の影響
- 過度な飲酒・就寝前の大量の水分摂取
- 睡眠の質の低下(いびき・不眠)
- 慢性的なストレスや疲労
🔍 大人になってから突然おねしょが始まった場合は、必ず医療機関で相談を。
早期発見が、スムーズな治療につながります。
年齢別:おねしょの特徴まとめ
年齢層 | 特徴 | 注意点 |
---|---|---|
5歳以下 | 成長過程の一部 | 原則、心配不要 |
6歳以上(学童期) | 継続する場合は「夜尿症」 | 医師の相談を検討 |
成人・高齢者 | 生活習慣や病気のサイン | 医療的評価が重要 |
おねしょの改善方法|年齢別アプローチ
子どもの場合(特に6歳以上)
- 就寝前2時間は水分を控える
- 寝る前に必ずトイレへ行く
- 日中に膀胱を十分に使う(我慢しすぎず、トイレを習慣に)
- 夜間に声をかけてトイレへ誘導(無理ない範囲で)
- 日記やシール表で成長を見える化
大人の場合
- 基礎疾患(糖尿病・前立腺肥大など)がある場合は、専門治療を優先
- アルコール・カフェイン・塩分の摂りすぎに注意
- ストレスケアと質の良い睡眠を心がける
- 夜間頻尿や尿意で睡眠が妨げられる人は泌尿器科へ相談を
医療機関を受診すべきタイミング
- 子どもで6歳以上かつ週に2回以上おねしょがある
- 一度改善したのに再発した(再発性夜尿症)
- 大人になってから突然おねしょが始まった
- 日中にも尿漏れや頻尿がある
- 強いストレスや体調変化と連動している
早期受診により、治療法・トレーニング・薬の選択肢が広がります。
まとめ:おねしょは「成長」と「体のサイン」
- おねしょは年齢に関係なく起こりうる自然な症状です。
- 子どもには成長の一環として見守る姿勢が大切。
- 大人のおねしょは、体からのSOSサインかもしれません。
- 一人で悩まず、専門医と相談しながら少しずつ改善していくことが大切です。
家族の理解と、正しい知識があれば、誰もが前向きに向き合えるテーマです。