ふわふわのブリオッシュにたっぷりのホイップクリーム――まるで雲のような見た目のスイーツ「マリトッツォ」。2020年頃からSNSを中心に人気に火がつき、カフェやコンビニでも広く見かけるようになりました。
けれど、あれほど流行したマリトッツォも、今ではすっかり見かけなくなったという声が。この記事では、マリトッツォが一気にブームになった理由と、その終焉の背景、さらに次のスイーツトレンド予測まで、わかりやすく解説します。
マリトッツォとは?SNS発のビジュアル系スイーツ
マリトッツォはイタリア・ローマ発祥の菓子パンで、ブリオッシュ生地にホイップクリームをたっぷりと挟んだもの。現地では朝食に食べられることもある、歴史あるスイーツです。
日本でのブームは2020〜2021年。きっかけはSNSでの投稿。「#マリトッツォ」のタグとともに、見た目のインパクトと可愛さで一気に拡散されました。
なぜここまで流行したのか?主な3つの理由
- 写真映えするビジュアル
- パンからこぼれ落ちそうなクリームがインパクト抜群
- SNS映えすることで拡散力が強かった
- 親しみやすさとアレンジ性
- 甘すぎず、ふんわりとした日本人好みの味
- 抹茶やベリーなど、和素材との相性も抜群
- コロナ禍による“癒し需要”
- 外出自粛中の「ご褒美スイーツ」として支持
- 「#おうちカフェ」文化との相性がよかった
マリトッツォブームが終わった理由
人気のピークは2021年。2022年以降、目にする機会が減っていったのには、いくつかの明確な理由があります。
- 飽きられた
- パンとクリームというシンプルな構成のため、リピート性が低かった
- 「一度食べれば満足」という声も多く、長期人気には至らず
- 重すぎる
- ビジュアルに反して1個でかなりのボリュームがある
- 甘党でない人には「重たい」と感じられ、日常的に食べづらかった
- 次々に登場するライバルスイーツ
- ダルゴナコーヒー、台湾カステラ、クロッフルなどが台頭
- 「次の映えるスイーツ」に注目が移った
このように、SNS発スイーツの流行は、スピード感がある一方で、賞味期限も非常に短いことが特徴です。
ちなみに、同じく短命ブームに終わったスーパーフードの一例としては、チアシードの流行はなぜすぐに終わったのか という興味深い記事もあります。
マリトッツォブームが教えてくれたこと
- 「見た目」だけでは持続しない
- 話題性や映えだけでは、飽きられるのも早い
- 味・価格・満足感といった本質的な魅力が不可欠
- SNSで生まれた流行は、SNSで終わる
- 短期間で爆発的に広まるが、移り変わりも早い
- 「話題性をどう継続するか」が重要
- 日常に溶け込むかが分かれ目
- クロワッサンやプリンのように“定番”になるには、生活に馴染む軽さや価格帯が必要
この点は、似た構成のスイーツでありながら日常に根付いているアップルパイのカロリーと糖質の記事と比較すると、面白い違いが見えてきます。
これから流行るスイーツの条件は?
今後、マリトッツォに代わって注目されるスイーツには、以下のような要素が求められると考えられます。
- ヘルシーさ
- 低糖質・グルテンフリー・ビーガン対応など
- 罪悪感の少ない“ヘルシー系スイーツ”
- サステナブル性
- フェアトレード原料やエコ包装など、社会的価値との融合
- 美味しさ+αの「物語性」がカギに
まとめ:マリトッツォは“バズ”と“飽き”の教科書
マリトッツォの一連の流行は、スイーツ業界だけでなく、マーケティング全般にも多くの示唆を与えてくれます。
- SNSでの拡散力があれば、あっという間に全国区へ
- しかし、その勢いに頼りきると、持続は難しい
- “見た目+味+価格+ストーリー”の総合力が、次の時代には求められる
「次に来るスイーツはどんなものか?」を予測するうえでも、マリトッツォは非常に良い「ケーススタディ」といえるでしょう。