「レッサーパンダって、見た目も違うのにどうして“パンダ”って呼ばれてるの?」
そんな疑問を感じたこと、ありませんか?
実は、今や“パンダ”の代名詞となっている白黒のジャイアントパンダよりも先に、レッサーパンダこそが“元祖パンダ”と呼ばれていたんです。
この記事では、レッサーパンダとパンダの意外な関係や名前の由来、そしてその知られざる歴史についてわかりやすくご紹介します!
「パンダ」という名前はレッサーパンダが先だった!
レッサーパンダ(学名:Ailurus fulgens)が西洋に紹介されたのは、1825年。
発見したのはフランスの動物学者フレデリック・キュヴィエで、ネパール語の「ポンヤ(ponya)」に由来して「パンダ」と名付けられました。
つまり、レッサーパンダこそが最初に“パンダ”と呼ばれた動物だったのです!
それに対し、白黒のジャイアントパンダ(学名:Ailuropoda melanoleuca)が西洋で知られるようになったのは1869年。
レッサーパンダの40年以上もあとに発見された存在だったのです。
「レッサー(lesser)」がついたのはなぜ?
その後、ジャイアントパンダが“珍獣”として世界的に有名になると、区別のために「小さい方のパンダ=レッサーパンダ」と呼ばれるようになりました。
- ジャイアント(巨大な)パンダ
- レッサー(小さい)パンダ
……という構図ができあがったのです。
これはまるで、あとから出てきた新参者に名前の主役を奪われたような話。
レッサーパンダにとっては、ちょっと切ない展開かもしれません。
ちなみに、ジャイアントパンダが発見された日として記念されているのが3月11日。
その由来や保護活動については、
パンダ発見の日とは?3月11日に隠された歴史と保護活動の意義
で詳しく解説されています。
レッサーパンダとジャイアントパンダは親戚なの?
実は、見た目だけでなく分類上でも全くの別グループなんです。
- レッサーパンダ → レッサーパンダ科(単独)
- ジャイアントパンダ → クマ科
つまり、レッサーパンダはクマの仲間ですらありません。
どちらかというとイタチやアライグマに近い系統に属します。
それでも共通点があるとすれば、「竹を主食としていること」くらい。
この“竹好き”という特徴が、「パンダ」という名前を共有する理由になったとも考えられています。
レッサーパンダはどこで見られるの?
レッサーパンダは、ネパールやブータン、中国南部などの高地に生息しており、絶滅危惧種に指定されています。
日本でも動物園で会うことができますが、そのかわいらしい姿と器用な動きに多くのファンがいます。
しっぽを立てて歩く姿や、立ち上がって威嚇するポーズなど、個性あふれる行動も魅力です。
まとめ:レッサーパンダは「本家パンダ」だった!
- 最初に「パンダ」と呼ばれたのはレッサーパンダだった
- ジャイアントパンダが後に有名になり、「レッサー」と区別されるように
- 分類上はまったく異なる生き物(クマ科 vs レッサーパンダ科)
- 名前も見た目も、実は“似て非なる存在”
動物園で見かけると「小さいパンダ」として見過ごしがちなレッサーパンダ。
でも、その歴史や背景を知ると、ぐっと親しみが湧いてきますよね。
あなたも次にレッサーパンダに会ったときは、「この子が本家のパンダなんだな」と思いながら観察してみてください!