「書類送検されました」というニュースを聞いて、「それって逮捕されたってこと?」「もう前科がつくの?」と疑問に思ったことはありませんか?
たとえば2025年には、巨人のプロ野球選手がオンラインカジノ利用の疑いで書類送検されたという報道がありました。でも実際は、書類送検=有罪ではありません。
この記事では、書類送検の意味や逮捕・起訴との違い、前科との関係まで、法律に詳しくない方でもスッキリわかるように解説します。
結論:書類送検=逮捕や前科ではない
- 書類送検は「事件の記録を検察に送ること」
- 逮捕されていなくても書類送検されることがある
- 有罪判決を受けない限り、前科にはならない
書類送検と聞いて慌てる必要はありませんが、意味や流れを正しく理解しておくことはとても大切です。
書類送検とは?どんな手続き?
「書類送検」とは、警察が捜査結果をまとめた書類と証拠を検察に送る手続きのことです。法律用語では「送致」と呼ばれます。
- 身柄を拘束しない(逮捕しない)送致=書類送検
- 交通違反や軽微な窃盗、名誉毀損などで多く使われる
- 自宅で生活している間に送検されることもあります
つまり、逮捕されていない人でも書類送検されることはあるのです。
書類送検と逮捕の違い
項目 | 書類送検 | 逮捕 |
---|---|---|
身柄の拘束 | ❌ なし | ✅ あり |
拘留・勾留 | ❌ 原則なし | ✅ 72時間+最大20日 |
社会的影響 | △ 少なめ | ◎ 大きい(報道・仕事停止など) |
典型的な事例 | 軽微な違反や違法行為 | 暴力事件、重大事故など |
身柄拘束の有無が、社会的な影響にも大きく関わるのです。
補導や逮捕との違いについて詳しく知りたい方は、補導と逮捕の違いをやさしく解説した記事も参考になります。
書類送検された後の流れは?起訴との関係
書類送検されたからといって、すぐに裁判になるわけではありません。検察が起訴するかどうかを判断します。
起訴の3パターン
- 公判請求
正式な裁判にかけて有罪・無罪を争うもの - 略式起訴
罰金刑が想定される軽微な事件で、書類だけで処分される - 起訴猶予
法律上は起訴できるけれど、社会的影響や反省の度合いを考慮して起訴しない
書類送検=前科にはならない
ここが非常に誤解されやすいポイントです。書類送検されたからといって、それだけで前科はつきません。
状態 | 前科がつく? |
---|---|
書類送検されただけ | ❌ つかない |
不起訴になった | ❌ つかない |
略式起訴で罰金刑が決まった | ✅ つく |
正式裁判で有罪判決が出た | ✅ つく |
つまり、前科は「有罪判決が確定した場合」にだけ成立します。略式でも有罪は有罪なので、注意が必要です。
なお、略式起訴の意味や手続きの違いについては、誤認逮捕されたらどうなる?補償や警察の責任も参考になります。
有名人の書類送検が報道される理由
一般の人が書類送検されても、ニュースになることはまずありません。ではなぜ、有名人のケースだけ報道されるのでしょうか?
- 社会的影響が大きいため(スポンサー・ファン・契約)
- 芸能人やスポーツ選手は「公の存在」と見なされやすい
- 報道価値(アクセス数)が高いため、メディアが取り上げやすい
そのため、たとえ不起訴であっても、活動自粛などの影響を受けることがあります。
まとめ
- 書類送検は「逮捕されていなくても検察に事件を送る手続き」
- 有罪にならない限り、前科はつかない
- 起訴されるかどうかは検察が判断
- 社会的影響と法律的評価は別物
- 報道だけで判断せず、流れを正しく知ることが大切
正しい知識を持つことで、ニュースを冷静に見られるようになります。「書類送検」と聞いて不安になった時こそ、落ち着いて情報を整理することが大切です。